Rehype Pretty Code で、コードブロックに行番号を付け、特定の行をハイライトする
前回は、 Rehype Pretty Code (rehype-pretty-code
) を使ってシンタックスハイライトを適用し、テーマを変更するところまで行いました。
今回は、さらに踏み込んで、行番号を付けたり、コードブロック内の特定の行をハイライトする方法を紹介します。
Rehype Pretty Code では、シンタックスハイライトされるコードブロックの設定を、 meta string を通して行えます。
例えば、次のようにマークダウンを書きます。 Meta string とは showLineNumbers title="multiply.js" {3}
の部分を指します。
```js showLineNumbers title="add.js" {3}
const add = (a, b) => a + b
multiply(2, 3) // 5
```
上のマークダウンは、次のように表示されます。
const add = (a, b) => a + b;
add(2, 3); // 5
ただし、 Rehype Pretty Code は、スタイリング部分は提供してくれないので、別途 CSS を書く必要があります。また、 meta string を書くだけでは機能しないところもあります。
なので、以下では、その設定とスタイリングの方法を紹介します。
本記事の CSS は、 Tailwind CSS の @apply
を使用しています。また、以前紹介した @tailwindcss/typography
のスタイルが適用されている前提で進めていきます。
今回の設定で得られる結果
実際の作業に入る前に、今回の設定で得られる結果として、コードブロックがどのように表示されるかをお見せします。
このようにコードブロック用のタイトルがあるときは、エディターのタブのような見た目になるようにスタイリングしています。
それでは、実際の作業に入っていきましょう。まずは CSS を適用するための準備から。
Rehype Pretty Code に CSS を適用する準備
はじめに、CSS を記述するためのファイル(styles/syntax-highlighting.css
)を作成します。
touch styles/syntax-highlighting.css
そして、このファイルを styles/global.css
から読み込みます。
@tailwind base;
@tailwind components;
@tailwind utilities;
@import './syntax-highlighting.css';
これで CSS を適用する準備が整ったので、 CSS の中身を書いていきましょう。
コードブロック全体のスタイリング
Rehype Pretty Code を適用後は、コードブロックをラップする div
要素に data-rehype-pretty-code-fragment
という data attribute が付きます。なので、次のようにコードブロック全体をスタイリングできます。
div[data-rehype-pretty-code-fragment] {
/* ... */
}
今回は、次のようにスタイリングしています。併せて、子要素の pre
にもスタイルを適用しています。
div[data-rehype-pretty-code-fragment] {
@apply my-5 overflow-hidden rounded-lg border border-gray-600 bg-gray-900;
}
div[data-rehype-pretty-code-fragment] > pre {
@apply m-0 rounded-lg bg-gray-900 px-0;
}
適用後は次のような見た目になります。
px-0
で横側の padding
を 0
にしているのは、行のハイライトをコードブロック全体に行き渡らせるためです。次の工程で行ごとに padding
を当てていきます。
では、次にコードブロックの行をスタイリングしていきます。
行のスタイリング
Rehype Pretty Code では、コードブロック内の各行に対して line
というクラス名が追加されます。なので、行のスタイリングは、 line
に対して行っていきます。
div[data-rehype-pretty-code-fragment] .line {
@apply border-l-[3px] border-transparent px-4;
}
ここで、透明の border
を適用しているのは、ハイライト時に色を付けるためです。
現状では、次のような見た目になります。
それでは次に、ハイライト表示するための設定とそのスタイリングを行っていきます。
特定行のハイライト
マークダウンでのハイライト指定
Rehype Pretty Code で行をハイライトするには、マークダウンのコードブロックで {3}
のように記述します。
範囲を指定する場合は {1-3}
、複数行を指定する場合は {1,3}
のように書きます。
```js title="add.js" {3}
const add = (a, b) => a + b
add(2, 3) // 5
```
しかし、デフォルトでは、上のコードのように書いても何も変わりません。ハイライト用のクラス名を HTML に追加するためには、 Rehype Pretty Code のオプションを変更します。
Rehype Pretty Code のオプションを追記
公式ドキュメントにあるように、次の記述を Rehype Pretty Code 使用時のオプションとして指定します。
.use(rehypePrettyCode, {
theme: 'one-dark-pro',
onVisitHighlightedLine(node) {
node.properties.className.push('highlighted');
},
})
これで、マークダウンのコードブロックで {3}
と書いた場合に、3行目に highlighted
というクラス名が追加されます。
ハイライト部分のスタイリング
highlighted
に対してスタイリングを行います。 border-color
と background-color
を指定します。
div[data-rehype-pretty-code-fragment] .line.highlighted {
@apply border-teal-400 bg-teal-700/30;
}
ただ、これだと下図のようにハイライトがコードブロックの幅いっぱいになりません。
これを解決するためには、code
要素を display: grid
にします。 auto-rows-fr
を使用しているのは、空行の高さを保持するためです。
div[data-rehype-pretty-code-fragment] code {
@apply grid auto-rows-fr;
}
これで次のような見た目になります。いい感じですね!
次はコードブロック用のタイトル部分の設定です。
コードブロック用タイトル
マークダウンでのタイトル指定
タイトルを設定するには、マークダウンのコードブロックに title="..."
を使用します。
```js {3} title="add.js"
const add = (a, b) => a + b
add(2, 3) // 5
```
title="..."
を使うと、 次のような要素が HTML に挿入されます。 data-rehype-pretty-code-title
という data attribute を持つ div
内に、 title="..."
の値(ここでは add.js
)が入っています。
<div data-rehype-pretty-code-title="" data-language="js" data-theme="default">
add.js
</div>
それでは、この要素に対してスタイリングしていきましょう。
タイトル関連のスタイリング
ここでは、タイトル部分に加えて、タイトルに隣接する pre
要素にもスタイルを適用しています。
div[data-rehype-pretty-code-fragment]
> div[data-rehype-pretty-code-title]
+ pre {
@apply -mt-[1px] rounded-t-none border-t border-gray-600;
}
div[data-rehype-pretty-code-title] {
@apply relative z-10 mx-2 mt-2 block w-fit
rounded-t border-x border-t border-gray-600
bg-inherit px-2 py-1.5 text-sm leading-none text-gray-400;
}
タイトルがある場合には、 pre
の上側の border-radius
をなくして border
を追加しています。 margin-top
を -1px
にしているのは、エディターのタブっぽい見た目にするためです。
適用後は次のようになります。
最後に、行番号を追加し、スタイリングしていきます。
行番号
マークダウンでの行番号表示指定
行番号を表示するには、マークダウンのコードブロックに showLineNumbers
を追記します。
```js {3} title="add.js" showLineNumbers
const add = (a, b) => a + b
add(2, 3) // 5
```
しかし、このようにしても、 code
に data-line-numbers
という data attribute が付与されるだけで、行番号は表示されません。
行番号表示のための CSS
行番号を表示するためには CSS カウンターを使用します。
まず、カウンターをリセットします。ここでは lineNumber
というカウンター名を使用します。
code[data-line-numbers] {
@apply [counter-reset:lineNumber];
}
次に、 lineNumber
をインクリメントするための記述と、 lineNumber
の表示を行います。ついでに他のスタイリングも行います。
code[data-line-numbers] > .line::before {
@apply mr-3 inline-block w-4 text-right text-gray-600
content-[counter(lineNumber)]
[counter-increment:lineNumber];
}
これで、行番号が表示されます。
クールですね!
さいごに
Rehype Pretty Code を使って、適宜 CSS を用意すれば、美しく、かつわかりやすいシンタックスハイライトを導入できます。
CSS については、デフォルトで用意されているものがないので、自身で用意する必要がありますが、デフォルトのスタイリングがない分、自由にできるのがありがたいですね。
スタイリングが面倒だという方は、今回紹介した CSS の内容を下にまとめて掲載しておきますので、よければお使いください。※Tailwind CSS を使っています。
div[data-rehype-pretty-code-fragment] {
@apply my-5 rounded-lg border border-gray-600 bg-gray-900;
}
div[data-rehype-pretty-code-fragment] code {
@apply grid auto-rows-fr;
}
div[data-rehype-pretty-code-fragment] > pre {
@apply m-0 rounded-lg bg-gray-900 px-0;
}
div[data-rehype-pretty-code-fragment] .line {
@apply border-l-[3px] border-transparent px-4;
}
div[data-rehype-pretty-code-fragment] .line.highlighted {
@apply border-teal-400 bg-teal-700/30;
}
div[data-rehype-pretty-code-fragment]
> div[data-rehype-pretty-code-title]
+ pre {
@apply -mt-[1px] rounded-t-none border-t border-gray-600;
}
div[data-rehype-pretty-code-title] {
@apply relative z-10 mx-2 mt-2 block w-fit
rounded-t border-x border-t border-gray-600
bg-inherit px-2 py-1.5 text-sm leading-none text-gray-400;
}
code[data-line-numbers] {
@apply [counter-reset:lineNumber];
}
code[data-line-numbers] > .line::before {
@apply mr-3 inline-block w-4 text-right text-gray-600
content-[counter(lineNumber)]
[counter-increment:lineNumber];
}
参考